もどき

こんにちは、川崎市からToyokoです。
"多読"なのかなあ?

たとえば、 

"これって多読って言うのかなあ?" とか、"子どもにとって良書なのかなあ?" とか、“押し付けてしまっているんじゃないかなあ?" とか、"どんなふうに読んだらいいのかなあ?" とか、

そんなようなことを考えることは、ありますか?

もともと私が教室で「多読」…のようなもの、をやってみたいと思ったのは、日本で生活する子どもたちに、外国語である英語に触れる時間を少しでも増やしてもらいたかったから。英語教室風に言うと、多彩なインプットを増やしたかったから、かな。。

よくよく考えると、「読書」をしたかったわけではないような。。

そのせいか、冒頭に書いたようなことで思い悩むことは、あまりないのですが。。

それでも、

大切なレッスン時間の少なくとも3分の1は割いているのだから、ただ漠然と惰性でやるようなことは許されるわけがなく。大事な子どもたちを託してくださった親御さんの期待はひしひしと感じているので、ここは、"ちゃんと"やらなければ。

"ちゃんと"。。。うーん。。どうしよう、、と思い悩むことがあります。

四苦八苦
子どもたちにはとにかく長く続けて欲しいので、あの手この手を試します。ちなみに小学生なら多読もどきの時間の中で、いったい何をやっているかというと、要するに、

私が選んだ本の中から気になる本を取る
        ↓
20〜30分かけて聴き読みとシャドウイングとコメント記録用紙の記入
 
(初めの1年くらいは自分で選ぶと言う過程すらない。自分の名前があるパンダの札が入っているセットが準備されているので、とりあえずそれに挑む)

これはお決まりのように、ただそうする時間だからと言う流れです。この「多読もどき」に自主性があるようには、、、見えませんねえ。ましてや、おうちで読んでいる子は、、いないだろうなあ。

それでも、実際はこの一連の作業(?)のなかに、やれこの本はつまらないだの、この絵が可笑しいだの、話を聞いてくれだの、子どもからはいろいろ出てきます。話したくなる子はたいていコメントを書くのがめんどくさいらしく、つい直訴に出てきますが、表立って発言したがらない子はびっしりと文字で書いてよこします。

また、シャドウイングの様子を見て(聞いて)いると「この子にはこんな風に聞こえてるんだな」という発見も興味深いです。

私は私で、本を歓迎してない子の気を引こうと、自分の感想を大げさに語ってすべったり、プロジェクターで大写しにして読み聞かせながらの座談会(こちらは「Toyoko劇場」と呼ばれてなかなかの人気(๑˃̵ᴗ˂̵))をしてみたり、どうやったらこのまま読み続けてもらえるかで四苦八苦。

もどきの役割

これって、好き嫌いのあった息子たちに日々どうやったらご飯を食べてもらえるか、四苦八苦していた頃に似ています。

本でも食事でも、四苦八苦する場面には沢山のやりとりが生まれていて、けっこうな充実感が味わえる気がします。両方とも独り立ちをする頃にはちゃんと自分で選んだものを取り込むところもよく似てるかも。

私がやっていることは「多読もどき」だけれど、子どもたちには身近に感じられる英語と関わる時間も増えたし、考える時間も楽しい時間も増えました。

もしかして、「そんなやり方ではダメだ」と言われたとしても、そもそも読書をしたかったわけではなかったとしても、私は教室で多読(もどき)をやってみて本当に良かったと思います、そう実感しています。


そして、とある先生のこんな言葉に上手いこと言うなあと感心したことがありました。

「どの草をどんな風にどのくらい食べるかは当人次第だから、私たちの役目は彼らを豊かな牧草地に連れて行って放つことです」

私が読んだものを、独り立ちする前の子ども達に広げて見せている今のやり方と重なった気がします。

草食ならヤギに例えて、美味しい草が茂っている場所に一緒に行って好きなだけ食べさせるし、

肉食ならライオンに例えて、子ライオンが自分で獲物を取れるまで親はその姿を見せながら獲物を子に与える。

そんな行動によく似ているなあと、教室でヘッドフォンをつけて多読もどきをしている子どもたちを眺めながら思うのであります。

文:Toyoko Hayashi
神奈川県 川崎市

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