「おもしろかった」

こんにちは。

「超ゆるゆる多読」実践中、札幌の魚住です。


最近、久々に少しまともな長さの児童書を読みました。

45,000語くらいのようですが、私にとっては十分です ^^;;

読み終えて、「あぁ〜、おもしろかった」と満足感に浸っていたのですが、その後、ふと不安になりました。

何せ、読書サポートをしていると言いながら読書習慣がなく、易しい本ばかり読んでいる私。30,000語を超えるような本は半年に1冊くらいしか読んでいないので、自分の感覚が「おもしろかった」なのか、「完読できて嬉しい」なのか、よくわからなかったのです。



おもしろい = 達成感 でもいいんじゃない?

小学生の子ども達には、基本的に読み聞かせ、もしくは、クラスみんなで同じ文章を私がちょっとアシストしながら一緒に読む、ということしかしていません。読書記録として、評価と感想も一応書いてもらうのですが、低学年の男子におもしろい傾向があります。絵の中に何か発見をしたり、おもしろい事に気づいたり、オチを言い当てちゃったり、何かしらの「成功体験」があると評価が高いのです。小学生にオチを言い当てられるなんて、ストーリー展開としてはシンプルでつまらなかったかな…と思いきや、☆がたくさん付いていたりするのです。逆に、他の子に発見の先を越されたりしてちょっと悔しい思いをした子が、ストーリーには思いきり笑っていたのに、これ見よがしに「0点」と書いたりするのです(笑)

小学生、特に低学年、特に男子にとっての「おもしろい」は、時に満足感、達成感と密接な関係があるのかもしれません。

10年近く前、低学年5人のクラスで、“Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?” (Bill Martin, Jr. 文/Eric Carle 絵) を読んだことがありました。とても気に入ってくれて、翌週もまた読んでと言うので、「じゃあ、次の動物何だか覚えてる?」などと当てっこしながら読み、さらに翌週にはすっかり文を覚えてしまって(文字は読めないのに)大合唱になり・・・ということがありました。みんなこの絵本が大好きで、その後も2、3週一緒に声に出して読むうち、音に合わせて文字を追える子も出てきました。その頃は、読み聞かせした本の読書記録はつけてもらっていなかったので、評価も感想も聞きませんでしたが、不思議な盛り上がりでした。(実際、この絵本がそこまでウケたのはこのクラスくらいでした 笑)



「おもしろい」は誰が決めるの?

それから数年したある時、ある先生が、この “Brown Bear, Brown Bear, What Do You See?” は「つまらない絵本」なので読まないとおっしゃったことがありました。単調な繰り返しと、いかにも色や動物の名前を教えたいという雰囲気がつまらないとのことでした。たしかに、その先生のおっしゃることは、ある意味わからないでもありません ^^;; 

 でも、あのクラスの子達は、確かに楽しんでいました。

その時、ふと、あの子達は、「すっかり覚えて言えたのが嬉しい」「読めた(ような気がした)のが嬉しい」という満足感、達成感で、さらにはみんなで大合唱して楽しめたことで、あの絵本が大好きだったのかもしれない、と思いました。

だったら、それでもいいんじゃないかな、と思ったのです。


評価も感想も聞きませんでしたが、あの絵本はあの子達にとっては十分満足できる「おもしろい絵本」だったということなのです。

絵本がおもしろいかどうか、いい絵本かどうか、いろいろな視点から評価されると思います。先生自身が好きかどうかももちろん大事です。でも、子ども達にとって絵本との出会いは、絵本そのものというより、心理的な満足感、達成感、その他にも様々な偶発的な要因が絡み合った「体験」なのだと思います。

それは、読み聞かせではなく、自分で読むようになっても同じことですよね。


どうやら私も答えが見つかったようです。

私が「おもしろかった」なら、それでいいということ...ですね。


文 : Kumiko Uozumi(アッポ)

北海道 札幌

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