多くのエリアで緊急事態宣言が解除される中、私が住んでいる札幌では全国的に見ても未だ厳しい状況が続いています。そして、全国的に見てもかなりゆるめの英語教室であるマジカル・ポケットも、2月末からの長いお休みを経て、GW明けから遅ればせながらオンライン授業を始めています。
もともとうちの教室では、英語を「教える」「覚えさせる」ことはなく、自分で学び続けるための「英語の語感づくり」を一番の目的としています。たとえば、数ヶ月自転車に乗らなくてもまたすぐ乗れたり、久々に泳いでも泳げたりするように、この子たちの「語感」もすぐに消えたりしないから大丈夫、せっかくだからちょっと休ませてあげよう!くらいに呑気に構えていました。
でも、4月半ば、2回目の休校が決まったあたりで、「会えない」期間の長さに私の方が耐えられなくなったのです。
オンライン授業、事始
もし、会えない期間が3ヶ月限定とわかっていて、6月には「お久しぶり〜!」と三密で遊べるよ、本も読めるよというのであれば、きっとオンライン授業は考えなかったでしょう。私は、パソコン自体はヘビーユーザーですし、スカイプは使っていましたし、Zoomのアプリも入れてはいましたが、正直オンライン授業なんて考えたこともありませんでした。
でも、そんな私もやっと重い腰を上げ、GW直前に保護者にアンケートを取り、GW前半に家庭ごとにZoomの通信テストをし、後半には子どもたちに操作をしてもらってクラスごとにテストしました。具体的なことは何も決めずに、「できたね〜!」「会えたね〜!」のGWでした。
そして、テストを終えたクラスから「授業」をスタートしましたが、そこでどっと疲労感が。。。年齢のせい?
コロナの第2波で不安と疲労がたまっている上に、年度替りのあれこれも重なり、保護者の方との連絡にも明け暮れ、3月以降は時間に余裕ができるどころか公使共に超バタバタ。そこに、オンライン授業。
うちのような小さな教室でもこうなのですから、全国でテレワークを強いられている皆さんはどんなに大変な思いをしていることでしょう。と、やっと気づいた私でした。
何がしたいの?
私の教室では、多読はメインではありませんが、小学生には主に読み聞かせ、中学生(英語歴によっては小6)からはCDを使った自力読みをサポート、高校生には完全に自由に読んでもらう時間を作っています。借りて帰る子はごく少数で、多読というよりは「読書」のお手伝いをしている感じです。
オンライン授業を始めるにあたり、自分の中の最大の疑問は、果たして「読書」はできるのか?ということでした。
まず思いついたのは、ほとんど使ったことのなかったeBook。使ってみると、手に持つのと違って揺れもブレもせずに、むしろ画面だけに集中してもらえます。レベル分け、ジャンル分けもされていて、検索も簡単。いろいろ目を通して、面白そうなものを選んでおけます。
授業では、いつも通りみんなでツッコミを入れ、発見をして楽しめています。
でも、なんだろう?
何か、自分の中でしっくりこないものがあるのです。この疲労感はどこから来るんだろう?手際の悪さや通信状態のストレスを差し引いても、何か自分の中で納得できない何か。
私は、何がしたいんだろう?
そうだ、会いたかったんだ!
心のどこかで「オンライン授業なんてやりたくないよ〜」と思っていますから、あれこれアプリを試すにも気持ちがついていかない。最初に覚えたアプリですら、機能を使いこなすので精一杯。
疲れたなぁ。。。
ふと、私は自分が何か大事なものを犠牲にしているような、道に迷ってしまいそうなザワザワした感覚に襲われました。
ちょ、ちょっと待って。
オンライン授業のドタバタで大事なことを忘れるところだった!
画面の中にみんながいて、同じ時間を共有しているだけで、十分じゃない?
会いたかったんだから。
そう思ったら、急に気が楽になりました。
オンライン授業については、私も初心者。子ども達といい意味で「対等」です。
見えにくければ、見えやすいように出す。
頷くだけだと聞こえているか不安だから、声に出して返事をする。
当たり前のことから始めよう。
ほら、本もゲームもこんなに楽しい。
やっぱり、会えるっていいね〜。
eBookをみんなで見た後、「そうそう、こんな本があるよ〜」と、思わず本棚から紙の本を出して見せている私。出したのはポップアップのあるボードブック。みんな画面の向こうで面白がって笑っています。
紙の本はダメだと思い込んでいたけれど、おしゃべりの中で自然に手に取った本ならこんな風にワクワクして読めちゃうのね〜と大発見!
オンラインをアナログに
元々、超アナログ人間な私、手を伸ばせばみんながそこにいるという感覚でオンライン授業をしていこうと思います。
オンラインをアナログに ^^;;
そして、主役は子ども達。
何かいいアイディアがあったらどんどん出してね!とお願いしたら、
「休校中にできるようになったこと、作ったものを Show and Tellしよう」
と提案してくれた子。
小さな弟くんが乱入してお兄さんの顔を見せてくれた子。
教室ではのんびりなのに、パソコンを使い慣れていてびっくりな子。
小さな画面の向こうに無限に広がる、その子、その子の世界が垣間見えました。
そして、何より、正面から見ると、みんなこんな素敵な笑顔だったんだと気づきました。
便利さや不便さに振り回されず、目先の目標やスケジュールをこなすことに目を奪われず、今まで通り「英語の語感づくり」を続けようと思います。
まだまだ落ち着かない札幌。
この状況がもう少し長くなるかもしれない可能性も考え、楽しみにしてもらえる時間にしたいと思っています。
Stay home.
Stay safe.
And stay happy ♡
文 : Kumiko Uozumi(アッポ)
北海道 札幌
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