第5回 英語絵本 Reading Circle Willy-Nilly 開催しました

〈2023年5月27日(土)19:30 「しあわせな読み聞かせ がんばらない多読」主催〉


 今回は週末の夜、初の試みでしたが初めての方5名を含め15名の参加となりました。

第5回目のおしゃべりのネタは、" I WANT MY HAT BACK " by JON KLASSEN

  大人たちの絵本の楽しみ方の一つは『深読み』かと思っていますが、今回はまさしく『ザ・深読み』の回でした。しかもその深読みは、作者情報を集めての深読みの方ではなく、絵本そのもから感じられるものへの深読み。「そもそも作者はどうしてこの絵本を描こうと思ったのか」という声が出てくるような、そんな空気を漂わせながらおしゃべりは進みました。

 登場するキャラクターは動物たちですが、その顔には口が描かれておらず目線も曖昧で、背景も多くは描きこまず空間が生かされアースカラーが基調、アクセントカラーである赤には何かを訴えるような気配があります。それが一見おしゃれでもあり、動物たちは愛嬌のある感じにも見えるのですが、対話形式で展開されるストーリーの方には「何かあるのでは」と深読みの世界へ誘う匂いがプンプン。そして裏表紙や見返しのイラストもよくよく見るとなんとも意味深、みんなで絵に目を凝らしては「うーん」とか「えー?!」とか。


 そんなおしゃべりの空気感が読者としての心理状態に大きく影響して、見ている絵がだんだんと違って見えてきます。そんな本でした。


 そして毎回、参加していただいた皆さんがアンケートにたくさんの気持ちを載せて下さいます。今回はそのおしゃべりの興奮をお伝えしたく、一部抜粋してご紹介させて頂きます。


〇 こんなに一冊の本をじっくり観察し、考えることはなかったです

〇 いろいろな視点からの解釈が交換できて、興味深かったです

〇 皆さんの読みの深さが本当に面白くて参加するのがいつも楽しみです

〇 最後、一人で本読みをした時、みんなと話していたことが影響して不思議な感覚になりました

〇 やはり、読んでもらうってよいですね、もともと気になっていたことも新しく気付いた  ことも、小グループの時間にたくさん話すことができました

〇 くまの目線、目の動き、、等、1冊のお話からこんなにたくさんの見方があるんだと知り、これから絵本を読む時の楽しさが何倍にもなりそうです!

〇 途中までは無邪気さやユーモアを感じもしましたが、最後のリアルな展開に不意打ちを喰らいました。熊がリスに噓をつく所も笑えるようで笑えない感じがあり。私には「真っ赤な嘘」というように赤い帽子は「嘘」象徴している感じがしました。人間には「嘘」が必要なのかな、なんてことにも思いを巡らせました



 『深い』というのはつまり、そこにある小さな事象が堀りに掘られ、そうして出てきた話が表面に見えていた印象から離れれば離れるほど「深い」と評されるわけで、その瞬間パラレルワールドに入っている自分に気付くわけです。会の最後に参加者のお一方が放った解釈はそれはそれは衝撃的なサイドストーリーで、いや、作者がちがうのだからスピンアウト作品と呼ぶべきかそのあたりはよくわかりませんが、かなりの説得力でした。


 それにしても、深読み好きのみなさんとおしゃべりしながら絵本を読んでいくと、知らず知らずのうちにそのままパラレルワールドへするりと滑り込んでしまうなんて。

ああコワイコワイ笑



 ということで、今回は初参加の方に「ありそうでなかったこのような集まりに参加でき、とてもよかったです!」というコメントをいただき、心の中でちっちゃくガッツポーズの回でした。

  次回は7月11日(火)10:00am~11:30am  ”Frog and Toad Are Friends” by Arnold Lobelの中から1話目の "Spring"を取り上げます。参加お待ち申し上げております。

お申込みはこちらのフォームからどうぞ↓

https://forms.gle/CJGFGsr1TB12Myk39

また、メールでのお申し込みはコチラから↓

tadokuyomikikase@gmail.com


文:Toyoko / 神奈川県川崎市

しあわせな読み聞かせ がんばらない多読

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